車からものづくりの新しい世界へ
私のキャリアは、
自動車用安全部品メーカーにて、製品設計/開発に部署に在籍し主にエアバッグモジュールやステアリングホイールのアプリケーション設計を担当していました。
関わった技術の分野としては、機械設計、縫製技術、織物のコーティング、板金プレス、樹脂の射出成型、発泡ウレタン成形、塗装技術などです。
退職間際には、新人向けに作業安全の講習や、部署内ルールの整備と更新、新規製品毎のデザインレビューの審査の仕事をやっていました。
近江化成に決まるまでは、滋賀県内の車関連以外の製造業の求人を探していまし
た。60才を過ぎて応募できる職種の幅は狭く、技術の経験が活かせるモノ作りの仕事
を探していたところ、家に近くパートでも開発職で求人している近江化成が目にとまり、
車とは別のモノづくりに関われるかもしれないと思い応募しました。
自動車用安全部品メーカーでスタートしました。エアバッグモジュールやステアリングホイールの設計を手掛け、板金プレスや樹脂成形など、さまざまな技術分野に関わってきました。でも、60歳を過ぎてから「自動車業界以外のものづくりに挑戦してみたい」という気持ちが芽生えたんです。
求人を探していたときに見つけたのが近江化成の開発職でした。家からも近いし、パートでもOKという条件が、まさに自分にぴったり。車以外のものづくりに関わるチャンスがここにあるかもしれない、そんな期待を持って応募しました。
初めての現場、初めての挑戦
現在は、量産前の新製品の開発・試作作業をリーダーと二人で担当しています。
具体的には製品開発として金型の設計、試作型の製作、成形試作、量産に使う
生産治具開発などをやっています。
樹脂の熱プレスは未経験で、BAも入社してから知った具合で、入社当初は量産工
程に入って終日立ち仕事は正直しんどい時もありました。今では、体が慣れたの
で普通にこなせます。量産の現場では、日々違う物の生産を経験する機会が多い
ので、都度先輩に作業のコツを教えて頂き、メモを取って次の生産の際に
それを見直して作業に取り組む様にしていました。
入社して配属されたのは、新製品の開発・試作を担当する部署。リーダーと二人三脚で、金型の設計や試作型の製作、量産用治具の開発を手掛けています。樹脂の熱プレスもBAの加工も、すべて初めての経験。最初は不安もありましたが、現場で作業を重ねる中で、徐々に慣れてきました。
特に量産現場での経験は貴重です。毎日違うものを作る中で、先輩から作業のコツを教えてもらい、それをメモして次に活かす。この繰り返しで、少しずつですが成長を実感しています。
面接時は、気づかなかったのですが職場の試作室は、昭和初期の町工場の雰囲気
で、昼夜コウモリや虫が飛び交い自然を肌で感じられる職場です。
そして隣の建屋の現場メンバーは、自分には真似できない職人技を持っていて、
口数少なく黙々と生産計画を達成してしまう高い技量を持ったプロ集団の印象で
す。
現在は、BAを作っている東洋紡さんからの製品開発依頼が多いのですが、リーダーが製品をどう作るかお客様と対話してリクエストや要件を受け取り、
製品化の構想を考え、それに対し私が作りこみの意見を出して、型の図面を書いたり、実際に型を部品から自前で作って組み立てるスタイルが多いです。
これまで担当したのは、
・事務用椅子の座面パーツの型構造の検討、試作金型の製作、試作品成形
・ウレタン製の枕をBAで置き換える商品の立体形状決めと試作型の製作・試作成形
・BA以外の繊維材料を使った試作依頼の加工・検討
等々
試作の壁を乗り越えて
試作の失敗や成功について
同僚との意見の違い
失敗は、たくさん有ります。抜き型をプレスで潰したり、カットの切り方を間違っ
たり、完成品の数を間違ったり、現場に迷惑をかけてばかりですが、都度リーダー
に相談して挽回に尽くしています。
試作ではせっかく時間をかけて型を作っても成形すると狙い通りに仕上がらない事は多々あります。
BA加工の難しい所は、間違って切ったら直せない。熱の加え過ぎると溶けて型に貼りついたり、
形が狙った様に出なかったり、手直しができないところです。
加工に対する考えの違いはたまに有ります。そんな時は試作を重ね、物を観察して記録を残し、どうしてそうなったか推察して次に活かす事にしています
ものづくりには失敗がつきものです。僕も、抜き型をプレスで潰したり、型の設計が狙い通りにいかなかったりと、たくさんの失敗を経験してきました。BA加工では、熱を加えすぎて型が溶けたり、形が思ったように仕上がらなかったり…。正直、手直しが効かないときは悔しい思いをします。
でも、そんな失敗から学べることも多いんです。試作を繰り返し、観察し、記録を残す。この地道なプロセスが、次の成功につながると信じています。
やりがいを感じた枕の量産化
達成感を感じたのは、この夏に自分が構想段階から関わった枕が量産化された事
です。
難しかったのは、枕の高さにお客様のこだわりがあって、BAの種類や重ね方を
何回も試作したり、熱成形後に冷却しながら形を整える工程を追加したり手間が
かかる製品でした。この枕の量産では、私が発案し作成したBAの位置決め治具も
工程内で採用され、パートの意見も取り入れてもらえるオープンな社風を感じま
した。それでも、実際生産してみて不良も出ていたので、機会があればもっと改良をしたいと思っています。
この夏、僕が構想段階から関わった枕が量産化されました。お客様から「高さ」にこだわりの要望があり、何度も試作を重ねました。熱成形後に冷却しながら形を整える工程を追加するなど、新しい工夫を取り入れる必要がありました。
その枕の量産では、僕が考案したBAの位置決め治具が採用されました。自分のアイデアが形になり、実際の工程で活かされるのは本当に嬉しい瞬間です。もちろん、不良が出たときは改良の余地を感じることもありますが、「もっと良いものを作りたい」という意欲が湧いてきます。
過去の経験からアプローチの幅が広いので状況に合わせてどうすればうまく製品が作れるか、
意見を出して、実際に手を動かして形にする事が出来ます。
今までできなかった形状出しも、新たな手段でできる物が増えているのではないかと思います。
また、材料知識も豊富なので、やったことがない材料の加工試作もゴールへの近道を探るのに力
を発揮できると思っています。
職場の魅力とこれから
近江化成の魅力は、社員一人ひとりの「強み」を尊重してくれることです。これまでの経験を活かしつつ、新しい挑戦にも背中を押してくれる風土があります。現場の雰囲気もとても良く、台車を引いているときにさりげなくサポートしてくれる同僚がいるなど、温かいチームワークを感じます。
特に驚いたのは、P.F.ドラッカー氏の読書会。社長が直接関わり、社員やパートが一緒になって学ぶ場が設けられているんです。こうした取り組みを通じて、会社全体で成長していく姿勢に感銘を受けました。
びっくりしたのは、P.F.ドラッカー氏の本の読書会。社長が聞き役で、本を読んだ感想を語り合う場ですが、
社員もパートも一緒に約10か月に渡って学ぶ機会が設けられ社長自ら育成に力を入れている印象です。
現場の雰囲気は話しやすく、新人さんでも丁寧に作業のポイントを説明してもらえるので、定年過ぎた方でも気遅れすることなく作業に取り組めます。
メンバーは普通に皆親切で、例えば台車を引いて物を移動している時も、さりげなく後ろについてサポートしてくれ
るので、現場のチームワークは良好です。
ものづくりへの新たな意欲
「筋縄ではいかないから面白い」。ものづくりの現場では、毎日そんな気持ちを抱きながら仕事に取り組んでいます。これからも失敗を恐れず挑戦し続け、自分の経験を活かしてより良い製品を生み出していきたいと思っています。
「やっぱりものづくりは面白い」、そう実感できる毎日です。
自動車業界から新たな領域へ
佐藤さんは長年、自動車用安全部品メーカーで設計・開発に従事してきました。エアバッグやステアリングホイールの設計を中心に、機械設計や樹脂成形など幅広い技術を習得。そのキャリアの集大成として、新人教育や作業安全の講習、部署ルールの整備といったマネジメント業務も担っていました。
「60歳を過ぎても、自分の経験を活かせるものづくりに挑戦したい」。その想いを胸に、近江化成へと新たな道を歩み始めました。
近江化成を選んだ理由
「車以外のものづくりに関わりたい」
そんな気持ちで探していた佐藤さんが目にしたのは、近江化成の開発職の求人でした。家から近い立地やパート勤務の柔軟さに加え、自動車とは異なる分野で技術を活かせる可能性が決め手となり、応募を決意。現在は、開発・試作作業をリーダーと二人三脚で担当しています。
挑戦の日々と学び
佐藤さんの主な仕事は、新製品の試作から量産工程までの準備です。具体的には、金型設計や試作型の製作、生産治具の開発など、多岐にわたる業務を担当。入社当初は、BAや樹脂の熱プレスといった未経験の技術に苦労しましたが、現場で先輩たちの助言を受けながら着実にスキルを磨いてきました。
「量産現場で日々異なる製品を作る中で、経験が積み重なり、少しずつ自信が持てるようになりました」。
そんな佐藤さんの努力は、現場のメモを活用した効率的な作業にも活かされています。
ものづくりの壁とその先の喜び
ものづくりには、多くの試行錯誤と失敗がつきものです。
「試作では時間をかけて型を作っても、成形後に狙い通りに仕上がらないことも多い。熱を加えすぎると型が溶けたり、形が崩れたりと手直しが効かない部分が難しいところです」。
それでも、試作を重ね、観察と記録を通じて次の改善策を見出すプロセスに、佐藤さんはものづくりの醍醐味を感じています。
特にやりがいを感じたのは、この夏に自身が携わった枕の量産化。お客様のこだわりを反映させるため何度も試作を繰り返し、治具を開発するなど創意工夫を重ねた結果、生産現場で採用されるまでに至りました。「自分のアイデアが形となり、現場で活用される瞬間は本当に嬉しいです」。
強みを活かす職場の風土
佐藤さんが感じる近江化成の魅力は、「社員一人ひとりの強みを尊重し、それを活かす職場環境」。入社後には、ドラッカーの読書会に参加し、社長や同僚とともに学びを深める機会も得られました。
「社長が聞き役となり、社員全員で学び合う場があるのは驚きでした。こうした取り組みが会社全体の成長を支えているんだと思います」。
さらに、現場の雰囲気も温かく、新人であっても質問や相談がしやすい環境。日々の作業中も、仲間が自然にサポートしてくれるチームワークの良さに助けられています。
未来の仲間へメッセージ
「筋縄ではいかない。だからものづくりは面白い」。
ものづくりに挑戦する楽しさを、佐藤さんは日々実感しています。「自分の強みを活かして働きたい、そして新しい分野に挑戦してみたい方にとって、近江化成は最適な職場です。一緒に新たなものづくりの未来を創りましょう」。